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カヌーを楽しむ:その4 [カヌー]

カヌーのレッスンをしていたSHIHOたちを残して先にキャンプ場に戻った。
オーナーは竹箒で枯れ葉で覆われた植え込みを掃除していた。
春の嵐で駐車場の木の枝が折れて危険だったので折れた枝の根元から
切ることにしたが、肝心のこぎりが見つからず薄い家庭菜園にでも
使うような小さなアルミののこぎりがあったのそれを持って木に登り
枝落としを始めたがすぐにアルミの薄いのこぎりがひしゃげてしまった。
こんなぺらぺらののこで切れるはずないよな。
気を取り直して木から降りて道具箱をあさる。
折りたたみののこぎりが見つかった。
刃を固定する留め金が壊れたので針金で留めてある。
これは去年僕が直した。
この手ののこぎりは使い勝手がすごくいい。
どんな作業にもむいている。
草刈もできるし、潅木も、竹も切ることもできる。
軽くてコンパクトなのでポケットに入れることもできる。
早速この折りたたみができなくなったのこぎりを持って木に登り
枝落としを始めた。
直径が20センチぐらいあるのでそう簡単には切れない。
それも2本も折れている。
木に登って体を支えながらなので力の配分が難しい。
片腕だけでのこを引いているからすぐ疲れてしまう。
なまじ枝が折れて一部が地面に垂れ下がっているので重みで
折れていくことがないから、完全に切り落とさないと
いつまでも枝は枝同士からまっている。
夏場なら緑の葉で覆われている木だが今は緑の葉をつけていない。
それでも小さな赤茶色の蕾がだんだん大きくなっているようだ。
夏の炎天下には心地よい木陰を作ってくれる。
腕が疲れて時々動かなくなるので休み休みしながら続けた。
普通なら大きなどっさという音を立てて切り落とせるのだが、
木から枝が少しはなれる程度。
木から乗りて6メートルぐらいの枝を反対側の竹林に引きずり運んだ。
駐車場の砂地には枝できれいな曲線ができていた。
どうもよれよれと引きずっているようだ。
まっすぐ引きずれば枝で描かれる線はまっすぐなはず、
それが波をうったような線にで何故かアートぽい。
つい見とれていた。
男の子2人を連れたお父さんが来ていた。
その親子に挨拶をする。
ウエットスーツにドライスーツを着て木に登り木を切ったせいで、
すっかり汗をかいていた。
それに気温はお昼になり上がっていた。
ドライスーツをぬいで裏返した。
中側は汗でびっしょりなので日当たりのいい竹の柵の上に干した。
Tシャツも濡れていたがノースリーブのウエットスーツを
着ているのでまだ暑い。
オーナーお昼を作るのを忘れてまだ掃除をしていたが、
SHIHOたちが川から上がってきたのに気がつき昼食を作り出した。
そういえば朝からコーヒーしか飲んでない。
二日酔いはさめていた。
なんとなくお腹がすいてきた。
オーナーは僕らにコーヒーを入れてくれた。
スタッフみんな何故かうれしそうな顔をしている。
昼食は大きな皿にサンドウィッチとスパゲッティ。
二日酔いからさめたとはいえその皿の上のものを食べてしまうと
胃がやや疲れているのがわかる。
まだ体が本調子じゃないな。
このとき、川を下ることをオーナーとSHIHOに告げる。
2人の顔が又うれしそう。
僕はどんな顔をしていたのだろうか。
変ににやけた親父顔だったのだろうか、
それとも光り輝いていたのだろうか。
そんなはずないね。
さて、後から来た親子のカヌー、パドル、ライフジャケットを
用意しなくちゃ。
それから力仕事。
ライトバンのハイルーフの上にカヤックを乗せなくちゃ。
その前に途中立ち寄る「なかのや」でお酒飲むお金用意しなくちゃ。
それとタバコが切れてるからそのお金も持っていかなくちゃ。
川くだりの途中は飲酒運転だ。
うれしい。
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カヌーを楽しむ:その3 [カヌー]

SHIHOが親子に講習を始めた。
それを見ていて僕は落ち着かなくなった。
体が自然に何かをしだした。
何かを探し出した。

いつもなら所定のところにライフジャケットがあるはずだが
今は室内にしまわれていて自分が使っていたライフジャケットがない。
室内の倉庫を探しに行く。
たくさんのライフジャケットがハンガーに掛けられていて
それが長い棒に掛けてある。
いくら探しても見当たらない。
あきらめて今まで遣ったことがないライフジャケットを持ち出した。
それからLサイズのウットスーツを取り出した。
去年置いていった自分の荷物が見つからないので、
Tシャツの上にドライスーツを持ってくる。
これは外に置きっぱなしになっていた。
シューズはテラスで見つかった。
とりあえずこれで川に出れる。

アンダータイツをはき、その上にウェットスーツを着だした、
やたらとごつごつして痛いので脱いでみた。
これはこれは。
カメムシだ。
それも5匹ほどいる。
冬の間暖かいねぐらを見つけて越冬してたのだろう。
そのおかげで運がよかった。
カメムシは「わくさ」といわれていてとでも青臭い強烈な匂いを出す。
一匹でも強烈なのに5匹もいた。
この荷置いた一度皮膚に付くといつまでもとれず、
わ~くさいと駄洒落にもならないくささなのだ。
気を取り直してウェットスーツを着る。その上にドライスーツを着込む。
水はどのくらい冷たいのだろうか?
沈没するわけにはいかない。
オーナーに川に出ることを告げる。
お互いの顔はニコニコ。
パドルは短いものを使うことにする。
カヤックにスプレーカバーがつけっぱなしになっていた。
去年はこのスプレーカバーのゴムが固くてとめるのに苦労した。
でもつけっぱなしでややゴムが伸びているようだ。
カヤックとパドルをもって川に向かう。
それにしてもカヤックがすごく重く感じた。
先シーズンの最後の頃はこのカヤックが軽く感じていた
はずなのに指にも腕にも力が入らない。
どうにかよろよろしながら持ち運んだ。
筋肉を急に使ったせいか痛む。
それを見たSHIHOがにこっと笑う。
彼女にはカヤックに乗るといってはいなかった。
僕はすまして簡単な柔軟体操をする。
入念にしないととは思いつつ気がはやり
どうせ今日は軽く流す程度と思い
適当に済ます。
親子ずれがちょうどカヤックに乗り川に繰り出したところだった。
流れが緩やかなせいか何の問題なく上流に向かいこぎだした。
これならSHIHO一人でレッスンできる。
川に乗り込むときどうしても乗り込むときに川の中に足が入る。
冷たい。
川の水に足を入れたとたんすぐにしびれるようだ。
めげずにカヤックに乗り込む。
スプレーカバーをとめる。
ゴムが伸びたせいか簡単に装着できた。
最後にこのスプレーカバーを使ったときはいくら力を入れて
ゴムを引っ張ってもなかなか装着できずいやになったが、
そんなことは今回起きなかった。
いい滑りだしだ、いや違った漕ぎ出しだ。
後は体が自然に動いてくれる。
とは言いつつ必要以上に水に濡れないよう慎重に漕ぐ。
何しろ水が冷たい。
こんなので大丈夫だろうかも思いつつ、
腕が勝手に動いて川を好きに漕ぎ出す。
だんだん川の水温に慣れてくる。
流れが緩やかなので自由に漕ぎまわれる。
親子ずれは初めてなのに何の問題なく川の中を漕いでいた。
流れが早くなり波が立っている瀬にチャレンジしてみる。
それ以上は上流には上れないが同じところにと止まれる。
もちろん時々はバランスをとり時々漕ぐ。

僕はいつまでも流れの速い川の真ん中の瀬の中で上流を見ていた。


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カヌーを楽しむ:その2 [カヌー]

まだ、ここのキャンプ場はシーズンインしていない。
この時期は週末お客さんが来れば対応している。
4月中旬ぐらいから本格営業する。
キャンプ場は冬の間休業状態だったので荒れている。
片付けが相当必要だし、しまっていたパドルやライフジャケットを
所定の場所に出さないとならない。
今の僕は平日の本業が忙しくてとてもここを手伝う状態ではない。
週末も仕事とプライベートな用事が続いていてこのキャンプ場には
なかなかこれない。
気持ちはいつもここでカヌーをすることしかない。
でもなかなかここにこれる状態ではない。
これない言い訳ばかりしているようだ。
カヌーに乗りたくないわけじゃない。
ほんとはカヌーに乗りたい。
この川の自然と、この川の持つ流れを感じていたい。


毎日違う川の流れ。
同じ川の流れの日はない。
川が蛇行しているところは毎日川の流れで土手が侵食されていく。
水位は雨が降らないとどんどん減る。
川くだりをする同じスタート地点の流れは毎日変わり、
毎回、川を下る段取りが変わる。
一度上流に上り、瀞場でウォーミングアップしてから
下ることもあればそのまま川の流れに乗り
すぐ下ることもある。
下るときも本流に初めからのるときもあり、
本流から外れていくときもある。
密集して生えている竹林の土手が崩れてそこにをよけるときもある。
流れが速いと、竹林は危険な場所になる。
水面下に倒れている竹の枝は、着ている衣服やライフジャケットに絡まり
流れが速いとそこから抜け出ることができずおぼれる可能性もある。
竹だけじゃない。
柳の木も怖いところだ。
柳の木が水面下間で水没していたことがある。
木の枝に早い流れがぶつかりしぶきを上げる。
そこでカヌーで沈没した人がいる。
カヌーはそのまま柳の木の枝の間に入り込んで出てこなくなった。
速い流れのせいでだんだんカヌーは水面下に沈んでいった。
ここで人がこの枝に絡まるとなんて考えると怖くなる。
大して川が増水していなくてもこんな危険はいくらでもある。
渇水していてもある。
今まで水の中に隠れていて大きな落ち込みを作っていた岩が
水面から頭を出したりしてコース取りの必要が出てくるときもある。
それだけいつも川の流れは変わる。
川だけじゃない。
その川を下る僕自身の体調も気分も変わる。
肉体的に疲れている、
精神的に疲れている、
寝不足、
二日酔い、
考え事をしているときもある。
毎回同じよう体調で川を下っていない。


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カヌーを楽しむ:その1 [カヌー]

風がなくどんよりとした天気の昼過ぎだった。
つい最近雪がここに降ったのが信じられないような暖かな日だ。

昨晩は氷点下近く気温が下がり、冷たく澄んだ夜空には
満天の星が輝やいていた。
その輝く星空の明るさで遠くに見える山の端は黒いシルエットを描き、
幻想的な景色をかもし出していた。
この景色は自宅の飯能の家に帰る途中にも見たことがある。
町がある方向の山の端は街の明るさがこの離れた田舎の山々まで届き、
かすかな白くて淡い光をこの星空へ白いグラデーションを渡したように
照らしている。
この街の明かりは茂木だろうか。
この分だと翌朝は寒いと思った。

起きたのが10時近くのせいか気温が上がっていたようだ。
Tシャツ姿でログハウスからおきだした。
まだ朝方まで飲んでいた酒が残っている。
木製のサンデッキから丸太を組んだ階段を下りた。
足がややもつれたのを感じた。
のどが渇いていた。
一人で飲み干した赤ワインがまだ体に残っている。
外にある流しまで行き水を飲んだ。
冷たくてうまい水だ。
スタッフはもうこの時間に到着していたカヌー体験希望者の対応をしていて
事務所のほうに出かけていた。
イントラのSHIHOはウエットスーツに着替えて事務所からログハウスに戻ってきた。
朝の挨拶を彼女にした。
川の照り返しで日焼けしていた肌が白くなっている。
今日は今年初めてのカヌーということでうれしそうだ。
前日から僕にカヌーに乗るように勧めていた。
僕はまだ水が冷たいからといって断っていたが、
彼女を見ていると水の冷たさも忘れてきた。

とりあえず冷たい水で顔を洗い少しでも目が覚めるように
頬をたたいたりして顔に張りを出すようにした。
そのとき初めてその日の天気は昨晩とは違うのが気が付く。
晴れていると思っていたが、うす曇で霞がかかり
遠くまで視界がきかない天気だった。
気温が急に上がっている。
そういえばTシャツ姿で外に出ていた。
ログハウスに戻るとコーヒーの香りに気が付いた。
起きたときは気が付かなかった。
いい香りだ。
オーナーがコーヒーメーカで入れてくれたコーヒーだ。
昨晩ワインを飲んでいたかっくに熱いコーヒーを入れて飲んだ。
フレンチローストの濃い目のブラックでうまい。
メンソールのタバコでまずは一服して今日のこれからの予定を考えた。
カヌーに乗るか乗らないか迷っている。
ボア付くにシャツを着てとりあえずキャンプ場の事務所に行くことにした。
途中もようして我慢でキストイレまで間に合わずに大きな杉の下で
気持ちよく立ちション便をする。
相当我慢していたようで勢いよくおしっこが出る。
人気がないところではこれが気持ちがいい。
そこにいる虫には迷惑、雑草にはいい肥やしだと自分に勝手に言い聞かす。
さっぱりしたところでキャンプ場内を散歩した。
木々はまだ蕾のままの姿だが、地面には一面鮮やかな緑の草が
枯れ葉の間からのぞいていた。
二月もすると成長して草刈が必要になる。
先週末の春の嵐で杉の小枝が折れて地面に散乱している。
枯れ葉は吹き溜まりにこんもりと盛り上がり掃除して集めたようにも見える。
3月のはじめに来たときは相川の水は少なかったが雨が降ったせいか
水量が増えている。
駐車場には小さな女の子を連れてきた若い父親がいた。
おはようの挨拶をして那珂川の岸辺にたった。
川の水がこないだよりも少ない。
水の色もこないだと違い透明度が落ちているようだ。
11月頃は澄んでいて川底の石が見えていた。
水温が高いのでプランクトンが増えたのだろうか。
もやが出るくらいの天気なので風がまったくない。
川の流れは穏やかで静かだ。
これなら初心者の練習にもってこいだ。
事務所によりオーナーに挨拶をした。
今日のお客さんの親子ずれはカヤックが初めてということだった。
まだこの時点ではカヌーに乗る気持ちになっていなかった。


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