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カヌーを楽しむ:その6 [カヌー]

焚き火が好きだ。
燃えている炎をみているのが好きだ。
風を受けて炎いろいろな方向にたなびき、
赤い形が一つとない形で動き回る。
炎をいろいろは形に変える風も一方向ではなく
絶えずいろいろな方向から吹いてくる。
火の勢いが落ちてくると煙が立ち始めて
それが僕のほうに急にたなびいてくる。
咳き込むほどではないが煙が目にしみる。
うちわがあれば釜の空気口から風を送ったり、
直接火をうちわでパタパタと扇ぐ。
煙は止まり、炎もパタッと止まる。
今まで炎を出していた薪はスミが赤く燃えているようになる。
そのうちに火の粉が勢いよくで出す。
うちわで扇いでいる限り炎は出ない。
炎は出てないが急に温度が上がるようで軍手をしている手が熱くなり、
燃えていたそばでは扇げなくなる。
扇ぐのをやめると急に炎がぱっと立ち上る。
しばらくは勢いよく火が燃えていて炎も派手にぼうぼうと
薪から立ち上る。
小さな枕ぐらいある薪を燃やすのは一苦労だ。
まず時間が相当かかる。
一度に燃えずに徐々に燃えていく。
その時よく煙が出てくるし、途中消えそうになり煙が出てくる。
でも、桜の木を燃やすと桜のチィップで燻製を作っているような
香ばしい美味しそうな煙たいにおいがしてくる。
鮎、豚肉も固まり、チーズなんかで燻製作りをしたくなる。
オープン前のキャンプ場の片付けをしていたときに掃除で出た紙を燃やしてしまった。
雑誌やパンフレットに使う紙は紙を白くするために漂白や石膏のような
コーティングをしていてなかなか燃えない。
ただでさえ紙同士が密着しているのでいつまでも本の中まではなかなか燃えない。
もうもうと白い煙と火であぶられて灰にはならず黒くなった状態になり、
薪の火種を覆って空気の流れをとめ、火力を落としてそのうちに火を消してしまう。
相当な量があったのでそう簡単にはすべてを燃やせない。
枯れ木の片付けと伸びすぎた木の枝落としなどで出た枝をその上で燃やし続けた。
枯れ木はすぐに燃えるが生木はそう簡単に燃えないし火力が弱い。
それでも釜の上の方の紙の固まりは燃えた。
その下のほうはその燃えた灰で覆われているせいでなかなかはかどらない。
そこでいつもの竹の登場である。
これは火力が強く、燃えた後もしばらくスミが長い時間燃える。
キャンプ場の片付けの間によく乾いた竹を継ぎ足してどんどん燃やし続けた。
キャンプ場の長老のAさんが合間に手伝いに来てくれた。
2人して直径1メートルぐらいの釜相手になかなか燃えない紙を相手に
いろいろ世間話をしながら竹と拾い集めた枯れ枝と枝落とした枝を燃やした。
表面ばかり燃やしてもだめということで燃えカスや灰で埋まっている
網を長生きで木でつついてつまりをとる。
そこから釜の空気口からの空気が送り込まれて火の勢いが強くなった。
さすが年の功。
途中から先ほどの小さな枕ぐらいの桜のまきを燃やす。
焚き火を手伝いだしたときは日がまだ高かった。
時間は4時ぐらいだった。
気がつけば周りは暗くなっている。
炎は昼間と違い幻想的な赤い世界。
僕はそこから離れられない。
少しでも火が弱くなるとうちわで扇ぐ。
気温も下がってきた。
外気は5度くらいだ。
風もあるので火が弱くなると余計寒く感じる。
そうすると又うちわをパタパタと一生懸命扇ぐ。
Gパンを通しても熱さが伝わってくる。
気がつけば紙の燃えかすはすべて燃えている。
事務所のほうからお茶にしませんかとオーナーが声を掛けてくる。
Aさんはすぐに火のそばから離れて事務所に向かった。
僕は火のそばからなかなか離れられなかった。

そういえばカヌーを乗らずに1日過ごしてしまった。


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