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カヌーを楽しむ:その9 [カヌー]

川の水はまだ冷たい。
パドルで水を捕らえると反対側のパドルは上に上がり、
ブレードについていた水が滴り。
ドライスーツの袖はマジックテープでとめてあるが
そこから水はドライスーツの中に入ってくる。
これが冷たいのだ。
しばらく漕いでいると袖のあたりに水が相当たまっているような感覚になるり、
思わずマジックテープを緩めて中の水を出そうとしたが出てこない。
漕いでいれば体が温まり冷たい水も体の熱を吸収して暖かくなる。

風がないのでカヤックが川を下るスピードぐらいしか風を受けないので
薄手のドライスーツでもちょうどよい気温だ。

川の両岸からは白い糸がいくつも渡してある。
スタッフの説だと、そこにカニを取るし掛けがしてあるということだが
どう見ても糸を渡しているだけにしかみえない。

カニを取る仕掛けは川岸に近い川原に鉄筋の棒をハの字に川底にいくつも
下流に向かって打ち付ける。下流のほうが狭くなるようにする。
その鉄筋に網をくっつけて狭まったところで虫取り網みたいな出口のない
網を取り付ける。
上流から川底を歩いてきたカニを狭まったところに追い込んで捕まえる仕掛けだ。
水が少ないときでも鉄筋は水面からせいぜい30センチも出ていない。
その鉄筋にはたいてい赤い日もが巻きつけてある。
増水するとこの鉄筋は水面より下になり見えなくなる。
これが危険なのだ。
この上にカヌーが通過すればポリエステルの艇は長い引っかき傷をつくるし、
組み立て式のファルトボートや空気を入れて膨らました
インフレータブルカヤックは穴が開いてしまう。
良心的に仕掛けをしている人たちは長い竹を仕掛けに立てて赤いひもを
結んでいるのでいるので仕掛けの鉄筋があることがわかる。

白い糸を渡したものは下流まで続いている。
カニを取る仕掛けには見えないし、その位置を知らせるものには見えない。

僕の予想では糸を渡してある上流と下流の間が漁をする人の縄張り
じゃないかと想像しているがどうなんだろうか。
それにしてもこの糸はきになる。
危険防止か、糸を切られないように白いひもや赤いひも、
それにビニール袋などいろいろなものが糸のところどころに結んである。
それを渡した人の美的センスもあるがどう見ても美しくない。

あるところで糸の張り方が違うところがあった。
1本の竹から2本の糸を下流に向かい張ってある。
ますますこの糸の意味がわからなくなる。
ほかの漁のためのものか。
それともこれからカニの仕掛けを設置するのか。
もしそうだとするとこんなにたくさん仕掛けを設置したらカニが
いなくなるのじゃないかと心配になる。

このカニはモズク蟹。
大きいかにがと20センチもある。
はさみには名前のとおりモズクみたいな毛がびっしり生えている。
生きているときは茶色とオリーブクリーンが混ざったような模様だが
ゆでると赤くなる。
見かけは上海蟹そのもの。
塩茹でにして食べるとこの身がこれがうまい。
味噌もうまい。
ただ味噌のところに黒い塊がありこれがすごく苦い。
甲羅酒で熱燗を飲むのもよし。
でも養殖しているわけじゃないのでとりすぎると、絶滅種に入る可能性がある。
川にはただでさえ外来種の大きな肉食の魚が増えている。
小さな蟹はその魚たちに食べられてしまう。

水はやや濁り気味。
透明度は60センチぐらいだろうか。
秋には透明度が上がり深いふちの川底が見えていた。
そこにたくさんの酒が群れを成して泳いでいた。
産卵のために川底を体全体を使い卵も産み落とす場所を
作る鮭がいたり、メスの鮭の周りでオスの鮭が争う姿が見えたり、
産卵が終わったようで動くことをやめてじっと死を待つ鮭が
見えたりした。
やなものも見ることができた。
鮭の筋子をとるための漁をしていて筋子だけとると
死んだ鮭を川の中に山のように積み上げている光景。
ほとんどは密漁かもしれない。

いろいろ考えながら川を下っていた。

去年毎週末見ていた川の両側の景色はまだ冬だった。


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